頭頸部のアライメント
目次
・姿勢反射
【姿勢反射】
姿勢反射は、緊張性頸反射、前庭迷路反射、前庭脊髄反射は姿勢保持のために筋緊張に影響を与える。
【前庭器官】
半規管は、頭部の回転や角加速度の制御ならびに前庭-眼球反射機能で眼球の制御をしている
卵形嚢・球形嚢は、重力や直線的な過足による身体の動きと直線状の頭部の動きに関すル情報を提供し、空間における頭部の絶対的な位置を制御する
前庭核は、頸部筋群を制御している
【頸部筋群】
最も高い筋紡錘密度を有する筋群の1つである。
そのため、頭頚部の位置やその動きは姿勢を制御する上で重要である
【頭頚部の役割】
①周囲をみるなどの頭頚部を動かすことを目的とする動作
②体全体のバランスをとる目的としての動作
日常生活活動においては、動作を開始する際の方向付けのために無意識的に眼や頭頸部の関与が大きい。
動き出した後は、胸郭の位置に対してバランスを取るために頭頸部の位置を変化させている。
【頭頸部の不良アライメント】
①胸郭の動きに制限を受けることで、呼吸筋の活動に影響が起きる
②喉頭の動きが制限されることで、喉頭周囲筋である舌骨上筋群・舌骨下筋群に影響を及ぼす
【頸部の関節運動】
・頭頸部屈曲
起始部である胸骨や上位肋骨、胸椎などには十分な安定性が必要である
頭頸部屈曲は重心の前方移動となるため、胸椎後湾による重心の後方移動に働く拮抗作用が必要となる。胸腰椎後弯は、腹筋群・大胸筋の作用で可能だが、後弯しすぎるため、それと同時に腸肋筋・広背筋を収縮させ胸腰部(特に腰部)を固定し頭頸部の屈曲力を発揮できるようにする。
・頭頸部の伸展
頸椎と胸椎をまたぐ体幹後面筋群である脊柱起立筋の協調性により胸腰部前弯による代償も出現する。
胸腰部(特に胸椎アライメントは重要)を固定するために腹筋群、腸肋筋・最長筋などの筋群を活動させる。
【理学療法】
・起き上がり
頭頸部の過剰活動や上肢の引き込み
→セラピストにより介助、ギャッジアップなどの環境設定
・起立動作
骨盤後傾では、顎を突き出すような姿勢をとりやすい。
→クッションなどを用いてセラピストにもたれさせ、セラピストの後上方に向かって腰
椎前弯に伴う骨盤前傾と胸腰椎の伸展動作の誘導を繰り返しながら、大腰筋、最長筋、多裂筋、腸肋筋、広背筋などを促通する。
骨盤の前傾が円滑化した後、下肢で地面を蹴る動作をおこなうなかで膝・股関節の伸展筋の活動を促通し、股関節伸展による骨盤の後傾動作を誘導する。
徐々にポジションを端座位に近づけながら同様に骨盤の前傾と体幹の伸展動作、地面を蹴る動作のなかで膝 ・ 股関節伸展筋を促通し、立位場面に近づける。この治療中、頭頸部の過剰な代償が出現しないよう注意を払う。
参考文献
頭頸部アライメントの解釈