体性感覚刺激入力による動作変化
目次
・実験と考察
・脳血管障害患者の介入
【実験と考察】
・実験① 起き上がり(右方向)
方法:背臥位、右前腕に対して上方から下方に圧を加える
結果:下肢屈筋の代償が軽減する
頭頸部・体幹の立ち直りの円滑性向上
考察:前腕がベッドを知覚し探索活動(無意識)を行い左方向への体重移動
それに伴い、体幹の筋緊張亢進・立ち直り改善を認めた
・実験② 立ち上がり
方法:座位で両大腿に上方から下方に圧を加える
結果:体幹・下腿の前傾・膝屈曲増加、円滑な動作出現
考察:前方への知覚を探索しようと、前方への体重移動が円滑化する
前方への体重移動が円滑になり、大腿直筋・前脛骨筋の活動が低下することで
・実験③:立位
方法:立位にて、両踵部にクッションを入れ踏ませる
結果:体重の後方変位を認める
考察:踵重心に伴い、体幹・骨盤周囲筋・下肢筋の協調して活動することで
安定した姿勢保持が可能になる
・実験④ 立位No2
方法:長座位にて、大転子部に手を当て、股関節内外旋を行う
考察:普段しない動作のため、慣れない動作を円滑化させるために
骨盤・体幹の安定性向上を図る必要があり、安定に繋がった。
※ADLにおいて、下肢の随意運動において末梢部を意識化させ動作することが多く
近位部である股関節を意識して動作を行うことは少ない。
例)段差をまたぐ、起立、階段昇降
末梢を意識するほど、協調的な活動は求められ、難易度は上がりやすい、
場合によっては、バランス不良から過剰な代償活動に繋がりやすい
【脳血管障害患者の介入】
上記より、非麻痺側に適刺激を伴う誘導は、麻痺側の筋活動を促通することができる治療に結び付けれる可能性が高い。
刺激を挿入することで、動作の円滑化・過剰な代償現象を図れる可能性がある
注意①:患者様は使用できる部位を最大限に利用しようとし、獲得した代償能力に
より、弱い部位の使用機会が減少、回復の遅延に繋がる可能性がある。
例)ベッド柵を引き込み、麻痺側の連合反応出現・麻痺側の使用低下。
参考文献
体性感覚刺激入力による動作の変化