強調運動障害の評価と解釈・介入

【評価と解釈】

①踵膝試験

 症状:最初に、股関節のみ過屈曲し、その後膝過屈曲を認める。

    進行中の突然の停止など、断続的な動作を認める

 解釈:多関節運動が円滑に出来ないため、単関節運動で代償している。

    主動作筋・拮抗筋の収縮・弛緩の遅れ。

②指鼻試験

 症状:指を勢いよく通り過ぎたり、大きく外れたりする

    障害側は、動作の開始・目標到達が遅れる。(左右で比較した場合)

 解釈:指が対象に向かって速く動くことが大切となる試験。

    →最適な運動軌跡を計算しておくフィードフォワード型制御を検査している。

③回内回外試験

 症状:肘の屈曲・内外転、手指の伸展など余分な動作が生じる

    不規則なリズムで運動となる

 特徴:小脳が運動野を制御しているが、制御不十分となり

    動作開始の遅延や動作強度の均一保持困難となり、固定機能が働いていない。

【協調運動障害と評価】

・姿勢(左右対称性)の評価

・代償として働いている部位は可動性低下・短縮を引き起こしやすいため評価

【リハビリ・注意点】

・正常運動感覚・正常パターンを与えていくのが大切。

 →評価に基づき、刺激の量を考え低緊張部位の安定性を与えていく。

  また、最初は可能な限り動揺させずに、スムーズに動かせること・自分の身体が

  正中位になっていることを認識してもらう。必要に応じてセラピストが把持にて

  圧を加え安定化を図る

 ・次第に末梢の動きを取り入れていく

  末梢部の動きに対して安定して姿勢保持が可能かどうか確認しつつ行う。 

・フレンケル体操(注意の集中・正確性・反復)を行う

・上下肢末梢部に重錘を使用した四肢の運動 

 

 

参考文献

強調運動障害に対する理学療法

小脳症候に病態生理