疼痛に対する物理療法・運動療法
目次
①物理療法の課題、鎮痛メカニズム、基本
②疼痛に対する物理療法
③ニューロリハビリテーション
①
物理療法の課題
- 効果に関するデータが少ない
- 診療報酬が加算されない
- 機器が高額・操作困難
物理療法の鎮痛メカニズム
疼痛理療法の基本
【急性痛】
組織の治癒をメインに介入しつつ
運動療法や物理療法を実施し、疼痛軽減を図る
【慢性痛】
日常生活活動(ADL)や生活の質(QOL)の向上をメインに実施し
ポイント①
疼痛治療において情動面や認知面など多面的・複合的な側面の特性を持つことを認識する
ポイント②
疼痛に代わり、疼痛行動や疼痛を中心とした生活となっていく悪循環を断ち切る
※Vlaeyenは疼痛-回避モデルで、
疼痛が破棄局的思考を生み出し、それにより感情・思考・認知だけでなく、不活動、
抑うつ、能力低下など慢性痛患者の症状がさらに悪化すると考えられている。
不活動状態における痛覚過敏の発現
→例、ギプス固定、手術後の安静、脳卒中後の麻痺、寝たきり状態
②
急性痛に対する物理療法
消炎:寒冷療法
抗炎症作用:低出力レーザー光線治療(皮膚損傷・上腕骨外側上顆炎)
パルス超音波治療(足関節捻挫・腱板断裂・肩峰インピンジメント)
慢性痛に対する物理療法
TENSは代表とされているが、効果検証として不十分
慢性痛に対する運動療法
疼痛軽減:ストレッチングが一番有効
種類:テレビ体操・ウォーキング・水泳などADLに繋がりやすく、継続性が高いこと
頻度:患者が今できる負荷量から始めること。
成功体験を積み、自信・賞賛・関心を得られるようにサポートしていく
※疼痛を訴える場合はその運動を避け、運動に集中できる練習を立案しよう
③
【慢性痛に対するニューロリハビリテーション】
慢性痛患者では、内側前頭前野や前帯状回で活動増加を認めている
※慢性痛は記憶・情動による疼痛であり、身体に関連要因がある可能性は低い
【治療】
知覚識別課題・イメージ想起課題による効果が示されている
→知覚の細分化・視覚・体性感覚の統合・イメージと実運動のフィードバック情報の
統合性をトレーニングできる。これによって感覚と認知、情動、運動などの機能的
な解離を是正し、結合を図ることができる
引用文献
疼痛に対する物理療法・運動療法
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