疼痛と画像診断
目次
①痛みの種類・関連領野
②注意と疼痛(事例多数)
①
・痛みの脳内機構
痛みは以下の3つに分類される
①感覚・識別的側面:部位や強度
②情動的側面:不快感
③認知・評価的側面:注意や予知
・ペインマトリックス:痛み関連領域
①一次体性感覚野・二次体性感覚野
②前帯状回
③島
④前頭前野
⑤視床
※まだまだ存在するが、明確にはなっていないため、代表的なものを紹介する
・経路
外側系 :視床外側部から一次体性感覚野・二次体性感覚野へ投射
痛みの識別的側面
認知・評価的側面や情動的側面
島 :内側・外側の中間的な性質をもつ可能性
前頭前野:最高中枢であり、痛みの認知・評価的側面に深く関与
前帯状回:痛みの認知・情動面に関与
②注意と疼痛
・個人の注意が痛みからそれている時
・痛み刺激を強く捉える群
・痛みを予期すると
・暗示や瞑想が、感覚認知に抑制的に働く
・次に来る痛み刺激が大きい場合:視床・前頭前野・前帯状回の活性化
次に来る痛み刺激を小さい場合:一次体性感覚野・島・前帯状回の活性化が減少
→→痛みが少ないことを暗示(少しチクッとするよ)すると疼痛が軽減される
・中脳被蓋部は下行性抑制系の重要な部位であり、その部位の血流増加は瞑想中の
下行性抑制系の著名な活性化を示している
・「実際の痛み」と「心の痛み」も関連領域を共有している
前帯状回は映像の人がどの程度痛みを感じているか、被験者の内観と正の相関を
認める
・仲間外れにされた際は、前帯状回が賦活され、
その程度は、感じた「心の痛み」に比例し強くなることが示されています
・膝痛患者と慢性痛患者と比較すると
痛みの発生時に、膝痛患者はペインマトリックスが活性化されるが、慢性痛患者は
※慢性痛患者では、実際に繰り返される痛みとは別に、脳内で情動的な痛み経験が繰り返されている可能性が十分にあり、悪循環を起こしている。
慢性痛患者では前帯状回・前頭前野などのペインマトリックスで、神経化学的・解剖学的・機能的変化を生じており、慢性痛に関与している。過去の痛み体験によりペインマトリックスの神経細胞に可逆的変化が生じ、自発痛を引き起こしている
引用文献
痛みの機能的画像診断 ~福井弥己郎
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